皮膚に何らかの異常や症状、病気がみられる場合に診察、検査、治療を行う診療科が皮膚科です。そもそも皮膚とは、身体全体(頭から足のつま先まで)を覆う臓器とも言われ、肉眼で確認できる体の表面すべてはもちろん、髪の毛や爪も診療範囲となります。
当診療科を受診する患者様は、肌に赤いブツブツができた、皮膚がかゆい、あるいはかぶれた、虫に刺された、日焼けが痛いなど、何らかの皮膚症状を訴えて来院されることが多いです。ただ皮膚は全身を映す鏡とも言われ、内蔵に何らかの病気がみられるなどすることで、皮膚症状が現れるということもあります。このようなことから診察の結果、入院加療が必要、高度な医療機器による検査や治療が必要という場合は、当クリニック提携の医療機関(総合病院 等)を紹介いたします。
湿疹、かぶれ、かゆみ、アトピー性皮膚炎、じんましん、乾燥肌(ドライスキン)、にきび、水虫(足白癬)、虫刺され、ほくろ、いぼ、たこ・うおのめ、水いぼ、おでき、巻き爪(陥入爪)、やけど、帯状疱疹、円形脱毛症、あざ、乾皮症(皮脂欠乏症)、乾癬 など
これまで水ぼうそうに罹患したことがある方にみられる病気です。水ぼうそうは、水痘帯状疱疹ウイルスが原因の感染症ですが、治ったとしても同ウイルスは神経節に潜伏し続けています。その後、加齢あるいは過労やストレスなどによって免疫力が低下すると水痘帯状疱疹ウイルスは活性化していきます。そして、左右どちらか片側の部位(主に顔面、体幹)の神経支配領域に沿って、ピリピリ・チクチクした痛みや感覚障害などが現れ、さらに帯状の赤いぶつぶつ(発疹)がみられ、それが水疱やかさぶたに変化していきます。
皮膚症状については3週間程度で治まります。ただ高齢者の発症、または発症時に強い症状が出たという場合は、発症から3ヵ月が経過しても神経痛が続くこともあります。これを帯状疱疹後神経痛と言います。この場合は、痛みをとる治療を行っていきます。
かゆみの症状が強い湿疹が身体全体にみられるようになります。皮膚症状としては、ブツブツした赤みがみられる、湿っている、黒ずんでカサカサしているなど様々です。同じ部位で良くなったり悪くなったりを繰り返していきます。かゆみに我慢できず、爪を立てるなどすると皮膚症状は悪化し、とびひを発症することもあります。
同疾患は、生後2~3ヵ月頃から発症し、年齢によって発症部位は多少異なっていきます(乳児期は頭や顔が中心になって次第に全身に広がります。幼児期~小学生になると首回りや肘、膝の屈曲部などでみられます)。これまでであれば、思春期の頃までには治まる病気と考えられていました。最近は、成人になっても治らない、成人後に発症したケースも見受けられることから、何らかの環境的な要因が影響しているのではないかとも言われています。
発症の原因については現時点で特定されていません。ただ患者様本人が、アレルギー疾患にかかりやすい体質であること、家族にアレルギー症状のある方がいるという場合は発症しやすくなると言われています。
主に足裏や足の指の間、かかとに白癬菌(真菌の一種)が感染し、発症している状態を水虫(白癬菌)と言います。なお感染経路については、足ふきマットや履物の共用等が挙げられ、感染までに24時間程度かかるとされますが、足裏に傷があれば約半分の時間で感染することもあります。この場合、主に3つのタイプ(趾間型、小水疱型、角質増殖型)に分類されます。
趾間型は、足の指の間に赤み(紅斑)や水疱がみられ、患部の皮がベロベロに剥けるなどするほか、かゆみも伴います。小水疱型は、土踏まず、足の側縁側、足の指の付け根付近等に小さな水疱や膿疱がみられるほか、水疱が発生する際にかゆみがみられることがあります。また水疱が破れると患部の皮膚は乾燥し、カサカサとなって皮が剥けるようになります。また角質増殖型は、足の裏全体が角質化している状態で、皮が剥けて皮膚がカサカサすることもあります。かゆみや痛みなどの自覚症状はありませんが、かかとに亀裂が入ることがあれば痛みが出ることもあります。
手あるいは足の爪に白癬菌が感染して発症する皮膚疾患ですが、その大半は足白癬(水虫)の感染がきっかけとなっています。ちなみに発症部位の多くは、足の親指です。
主な症状は、白や黄色に濁る、爪の肥厚化、変形などです。病状が進行すると爪は脆弱化していき、爪切りを使用して爪が崩壊したというケースもよくみられます。痛みやかゆみなどの自覚症状が現れることは、ほぼないと言われています。
皮膚にこれといった異常(皮疹 等)がないのにも関わらず、かゆみ等の症状を訴えている状態を皮膚そう痒症と言います。このかゆみの症状に耐えきれずに掻き壊すなどすれば、皮膚症状を悪化させるということもあります。
同疾患は、汎発性(主に全身にかゆみがみれらる)と限局性(一部の部位でかゆみが出る)の2つのタイプに分類されます。
前者の場合、肝臓障害、腎臓障害、代謝内分泌疾患(糖尿病、甲状腺機能異常 等)、悪性腫瘍(がん)、血液疾患などの病気を発症している可能性があります。そのほか、寄生虫、老人性皮膚そう痒症、食物や薬剤の影響なども考えられます。
また後者で肛門周囲にかゆみがあれば、下痢や便秘、痔核などによって引き起こされていることがあります(肛門そう痒症)。さらに外陰部にかゆみが集中していれば、ガンジダ症やトリコモナス症、ケジラミ症などの感染症をはじめ、前立腺肥大や尿道狭窄も考えられます。また女性は閉経によるホルモン不足で、外陰部周囲に委縮がみられるなどして起こる可能性もあります(外陰部そう痒症)。
正式には伝染性膿痂疹と呼ばれる皮膚疾患で、痂疲性膿痂疹と水疱性膿痂疹に分類されます。一般的には、乳幼児に発症しやすく、全身に水ぶくれ(水疱)が次々と発生する水疱性膿痂疹のことをとびひと言います。
この場合、原因菌は黄色ブドウ球菌になります。虫刺されやあせもなどのかゆみに耐えきれずに皮膚を掻き壊し、その傷口に同菌が入り込むことで感染し、発症するようになります。主な症状である水ぶくれには、かゆみが伴います。また菌が詰まった水疱は破れやすく、これが他の部位や人に着くなどして感染は瞬く間に広がるようになります。この様子が飛び火に似ていることから「とびひ」と呼ばれるようになりました。
主な症状ですが、水ぶくれが破れるなどすると皮膚の下の層になる真皮が現れるようになります。これがびらん状態で、やがてかさぶたを形成します。このかさぶたが剥がれると完治となります。ちなみに治癒するまでには1週間程度かかるようになります。
かぶれとは接触性皮膚炎のことです。この場合、原因とされる物質に触れることで、かゆみの伴った赤いブツブツや水疱などがみられるようになります。植物かぶれでは、植物に触れてしまうことでかぶれを発症するわけですが、人によって原因となる植物は異なります。なお原因が特定するための検査として、パッチテスト(原因と考えられる物質を皮膚に貼り付けて反応を見る)を行うこともあります。
なお植物かぶれを起こしやすい代表的なものとしては、ウルシ、サクラソウ、イチョウ(銀杏)、菊、ユリなどがあります。
かゆみがみられる赤いふくらみ(発疹)が、何の前触れもなく体の一部に現れますが、24時間以内に何事もなかったように消えていきます。この症状を繰り返していくのがじんましんの特徴です。
同疾患は、アレルギーなど原因(食物、薬剤、昆虫の毒、物理的刺激 等)がはっきり特定することもありますが、患者様の7割程度が原因不明の特発性じんましんと言われています。この場合、急性じんましんと慢性じんましんに分けられるのですが、前者は発症から6週間以内に症状が治まった場合を言います。また後者は発症から6週間以上経過しても症状が続いているケースになります。この場合、毎日のように皮膚症状がみられますが、主に夕方~夜にかけて現れるようになります。
皮膚科・泌尿器科
産婦人科