一口に診療と言いましても大きく保険診療と自費診療の2種類があります。前者は、患者様が治療費の1~3割を支払い、残り分については自治体などが負担します。一方の自費診療は、その名の通りで診療にかかった費用を全額自己負担するケースを言います。
つまり自費診療は経済的負担が大きいわけですが、利点としては家族や会社に知られることなく、匿名で受けられます。また保険診療では認められていない治療方法を行うことも可能なので、選択肢が広がるということもあります。
当クリニックでは、以下の自費診療を行っています。
Androgenetic Alopeciaの略称がAGAになります。これは毛器官で発生する疾患のひとつでもあるのですが、男性型脱毛症とも呼ばれています。
AGAは思春期を過ぎた頃から発症するようになります。そもそも髪の毛というのは、抜けては生えるというサイクルを繰り返しています。これを毛周期と言います。毛周期は、成長期→退行期→休止期を繰り返すのですが、AGAを発症すると成長期がどんどん短縮していきます。これによって細くて短い毛(軟毛)に生え変わります。さらに続くことで、最終的には脱毛していきます。発症部位としては、頭頂部と前頭部が中心となります。
発症の原因としては、アンドロゲン(男性ホルモン)に含まれるテストステロンが5αリダクターゼ(主にⅡ型)と結びつくことでジヒドステロン(DHT)に還元し、これが頭頂部や前頭部の毛包の受容体と結合して成長期が短縮されるようになるとしています。
診察時に薄毛や脱毛の原因が、何らかの病気による一症状でないことを確認するための検査を行うこともあります。これらの結果からAGAであると医師から診断を受けた場合は、AGA治療薬を用いた治療を行っていきます。
具体的には、5α還元酵素阻害薬を使用していきます。これはDHTの産生を抑制する効果があるとされるもので、テストステロンと5αリダクターゼを結びつかないようにさせるというものですが、5αリダクターゼにはⅠ型とⅡ型があります。原因の大半がⅡ型によるもので、このⅡ型を阻害する働きをするのがフィナステリドを主成分とするプロペシアなどです。またⅠ型とⅡ型の両方に阻害効果があるとされるのが、デュタステリドを主成分とするサガーロなどです。ちなみにサガーロの方がプロペシアよりも発毛効果が1.6倍程度高いとされていますが、処方に関しては患者様の適性なども考慮して医師が判断します。上記以外にもミノキシジルが主成分の外用育毛剤を使用することもありますが、これは5α還元酵素阻害薬との併用も可能です。
プロペシアをはじめとするフィナステリドが主成分の5α還元酵素阻害薬につきましては、男性機能不全(勃起不全、性欲減退 等)、肝機能障害などの報告があります。またサガーロなどデュタステリドが主成分の5α還元酵素阻害薬も上記の症状がみられるほか、乳房の女性化や乳房の痛みなどもあるとしています。ちなみに肝機能障害の対応については、服用前に血液検査で肝機能の数値を確認し、治療中にも血液検査を行うなどして、数値の変化をみていくこともあります。
外用育毛剤(ミノキシジル)につきましては、塗布した部位にかぶれ、かゆみ、フケなどの皮膚症状が起きる可能性があります。
EDは、Erectile Dysfunctionを略称した呼び名です。意味としては、勃起障害あるいは勃起不全となります。ただこの場合、単に全く勃起しないということだけでなく、途中で萎えてしまう、満足な性行為ができない、勃起するまでに時間がかかるといったことにつきましてもED扱いとなります。
発症原因に関しては、ひとつとは限りません。器質性のケースもあれば心因性のケースなどもあります。器質性とは、主に病気を発症していることで引き起こされているEDになります。例えば、高血圧や糖尿病等の生活習慣病もしくは加齢などがきっかけの動脈硬化による血管障害、勃起に関係する神経が障害を受けているなどがあります。また心因性とは、精神的ストレス、不安・トラウマ等、心理面によって引き起こされるEDです。この場合は、年齢が比較的若い世代の方でも見受けられます。また上記の2つが組み合わさって発症する混合性ED、薬剤による副作用が引き金となる薬剤性ED等であると診断されることもあります。
治療に関してですが、心因性EDの患者様であれば精神療法やカウンセリングを行うこともあります。また器質性EDであれば、根本の原因である治療をするということも必要です。これらも踏まえつつ、勃起障害を一時的でも緩和させるというのがED治療薬になります。
この場合、血管を拡張させ、血流を改善させる働きがあるとされるPDE5阻害薬が使用されます。種類としては、バイアグラ(ジェネリック含む)、シアリス(ジェネリック含む)、レビトラジェネリック(先発薬は販売中止)があります。先にも述べましたが、どのPDE5阻害薬を使用しても効果は一時的なもので、性行為の前(30分~1時間程度前)に服用していきます。持続時間(勃起し続けるのではなく、性的刺激によって勃起しやすくなる)については、種類によって異なります。例えば、バイアグラは3~5時間程度、シアリスは30~36時間程度、レビトラジェネリックは5~8時間程度と言われています。またバイアグラは食事の影響を受けやすいので空腹時に服用するようにします。
またバイアグラなどPDE5阻害薬を使用することで起きる副作用としては、顔にほてり、頭痛、消化不良、倦怠感、目の充血、動悸などが報告されています。ただED治療薬というのは、毎日飲み続ける薬ではありません。したがって、これらの症状は一過性であることがほとんどです。
ちなみに常用薬のある方に関しては、現在服用中のお薬とED治療薬の相性が悪いことから併用不可となることもあります。このようなケースを避けられるよう、初回診察時にあらかじめ医師に常用薬を申告するようにしてください。
男性のブライダルチェックは、まだまだ一般的に浸透しておらず、女性が受けるものと思われておりますが、もしカップルで不妊治療をするとなった場合に、男性側もブライダルチェックを受けることで不妊治療の効率は格段にあがると言われています。人間ドックの一種で、ブライダルという名称から結婚を控えている方向けの任意の健康診断と思われがちですが、近い将来に結婚の予定がなくても将来的に妊娠・出産を希望する方も対象としています。
詳細はお気軽にお問い合わせください。なおブライダルチェックでは、以下の検査項目が行われます。組み合わせにつきましては、ご自身で選択することが可能です。
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